
みなさんこんにちは。
タイ在住の手相師ミセスKです。
私はタイに住んでいるので「日本語教えて!」
って周りのタイ人などに言われることがあります。
そこで日本語を教えたときの話と、タイの東大に入ることについて。
英国籍のパパさんから娘を東大に入れて!と頼まれた話
「うちの娘(タイの高校に通う英タイハーフの高2)はとてもいい子で、英語もタイ語もできるから日本語も上達するはず。だから日本語を教えてほしい」と英国籍の男性からお話がありました。
でも教えてみると、、、その娘さんの英語力はタイ人高校生にしては会話はできるけど、本人に確認すると文法の成績は平均”以下”。他の主要科目も苦手。そんな彼女に日本語を教えてみたのだけれど(失礼ながらやっぱり!)覚えが悪い。
可愛くて性格もいいんだけど、勉強向きの子じゃない。
まあそれでも、彼女のペースでゆっくり教えることにしました。

が、しかし!
お父さんが何故か「娘は東京大学に入れる!」と途中から言い出したのです。
「娘は英語ができるから、あとは日本語さえマスターすればOKだ」と。
え???
どうして東大?って聞いたら「日本のトップ大学だから」とのこと。
お父さん、娘さんの学力分かってるのかな? 日本の最高学府をナメてるのかな?と思いつつ、
「あなたの娘さんの学力では無理ですよ」なんて言えず。
いろいろ英語メールでやり取りして日本の大学は学費が高いよ、という事で東大は諦めて頂きました。(グーグル翻訳さん、お世話になりました)
その代わりにタイのトップ大学・チュラロンコン大学に入れると言い出し。。。(タイの大学入試では第2外国語として日本語が受験科目として選べるんです)
子供の能力と希望に合わせて学校を選ぶという私の子育てポリシーとは真逆のパパさんの考えに、ドン引き。
タイの東大に入るということ
実は、私の息子はずっとタイの学校で学んで『タイの東大』と言われるチュラロンコン大学の学生になりました。それなので私が教えれば彼女もチュラロンコン大学に入れると思ったのかもしれません。
でも、、、自慢になっちゃってお恥ずかしいのですが、うちの子は幼稚園の頃からお勉強はできる子でした。
それに生まれてからずっと日本語で話しかけ、絵本を読み聞かせ、文字を教えと積み重ねで息子は日本語ネイティブになれたので日本語の入試は98%正解できました。
でも、タイ大学入試の日本語の平均は50%弱。それだけタイ人にとって日本語は難しいんですよね。
ただし!チュラロンコン大学に合格した人は80%以上の点数を取ってる人も多いのです。(単純には比較できないけど、たぶん80%以上取れるなら日本語能力試験2級(N2)レベルじゃないかな?)
東大もそうでしょうが、チュラロンコン大学も平均点レベルでは合格なんて無理です。
でもたぶん、その子は1年半頑張って60%取れるかな?ってくらい。日本語以外の学科が満点近くないとチュラロンコン大学は無理なはず。

東京大学に入るような人の3つのパターン
ちょっと大げさな見出しをつけてしまいましたが、東大やチュラロンコン大学に入るような子は3パターンあると思います。
◆もともと地頭がいい
◆戦略的に長期戦で受験勉強を頑張る
◆スポーツなど推薦枠で入る
これら3つを、息子の経験を踏まえお伝えします。
(タイだと裏口入学で入るパターンもあるでしょうが、そちらは省きます)
もともと地頭がいいパターン
東大卒の脳科学者・中野信子さんタイプですね。
遺伝子(DNA)の研究が進んで分かってきたのは、学力は60%以上が遺伝にかかわるんだとか。もちろん遺伝子以外にも環境や努力という要素も関わってきますが。
親の私が書くのもなんですが息子は地頭がいい。私は違うけど親戚は高学歴者が多いので、息子は勉強に向いたDNAを持って生まれてきたのでしょう。(遺伝子はスイッチがオン・オフされるので、デキる親族に囲まれながら私のようにデキないこともある・涙)
息子は幼稚園のころから塾などは通わず勉強はデキる子で、ラッキーなことに近所に県でトップ3に入る公立中高一貫校があって、そこに自分より賢いクラスメートがいたことで、彼らに追いつくため学校の授業は頑張っていたようです。
ただ高3になっても息子は大学に興味なしで、(日本語がデキるから)余裕で入れそうな国立K大の日本語学科を志望校だと高校には申告し、自宅では受験勉強せずにYouTubeを見たりゲームなどして過ごしてました。本人の人生なので親は見守るしかありません。
息子は進学クラスにいたので、周りは医学部やトップ大の理系を目指す子が多く、K大の文系を第一希望にする生徒は少なかったようですが。
でも結局、受験1か月前になって急にチュラロンコン大学を目指すことになり、自分でも入れそうな文系学科を選び、どうしたら合格できるか分析し、残り1か月弱は独学でタイ語の勉強に集中して合格したのでした。
ホリエモンが東大に行くため理系を諦め文系に変更し、英単語に絞って勉強したって話を思い出しちゃいました。
もちろん日本語ネイティブだから合格できただけで、そうじゃなければ1か月では無理だったと思います。
ただ逆もしかりで、日本語ネイティブでも他の勉強ができなければ合格は無理だったことは(英国籍パパさんには)知って欲しかったのです。
ちなみに息子が「あいつは頭がいい」と認めるクラスメイトも塾なしでチュラロンコン大学の工学部に合格しています。
戦略的に長期戦で受験勉強を頑張るパターン
息子の中高時代の同級生に、息子曰く「あまり勉強はできないけどガリ勉している」子がいました。
グループ課題をするため我が家に来たことがあるんだけれど、「あいつ勉強はあくせくするのに課題提出には非協力的」と息子はボヤいていたんです。
でもその彼、前から目指していたマヒドン大学医学部に現役合格! 医学部に関してはチュラロンコン大学より、タイ国王も利用するシリラート病院を持つマヒドン大学が人気なんだそうです。
息子によると、医学部入試には高校の成績はまったく関係なく、ともかく入試でよい成績を取る必要があるんだとか。それで彼は学校の課題をする時間は切り捨て、受験勉強を頑張ったんですね。
彼は長期に戦略を持って頑張って努力が報われたパターンだと言えると思います。
スポーツ推薦で入った子
コロナ禍でずっとオンライン授業が続くタイの大学ですが、息子の大学のクラスメイトにスポーツ推薦で入ってきた地方出身の学生がいるそうです。
大学の授業で『15分間英語で会話した動画を撮る』という課題が出され、その推薦君とペアになった息子によると、中高で習った英語を組み立てるだけの簡単な課題なんだけど、彼は英語がまったくできず、早々とギブアップしちゃったのだとか。(私も絶対無理だ!)
息子はチュラロンコン大学に受験で入った中では、入試英語の点数は高い方じゃなかったから、大方のチュラロンコン大学生はその課題は軽々出来るのでしょう。
チュラロンコン大学はタイのエリート大学ですから英語教育には力を入れているようで、これから英文の論文を読む機会も増えるとのことで、入試は難しけど卒業は簡単な日本の大学と違って、推薦君はこれから大変かもしれません。
身の丈に合わない目標は子供がかわいそうかも

最初の英タイハーフの子の話に戻りますが、彼女は可愛いしいい子で、なかなか日本語が覚えられないという点以外は、接していて楽しいんです。
でも、あと1年数か月でチュラロンコン大学に合格できるだけの日本語能力(N2レベル?)に持って行くのは厳しい。もっと早く、中1くらいから戦略的に目指していれば行けたかもしれませんが。
私も手を変え教材を変え、彼女が覚えられるよう努力してみたのだけれど、かなり厳しい。
日本の受験で例えると、”頑張れば”偏差値55くらいの大学に入れるかもしれないってレベルの子に『東大合格!』を目標にさせるような感じ。あくまでも私の個人的な見解ですが。
でもお父さんはチュラロンコン大学に合格させる気マンマンで、娘ちゃんもパパに言われるまま頑張りますとは言ってるけど、心の底から本人がチュラロンコン大学に行きたい訳じゃないから勝手にレッスンをお休みしてパパに怒られたり。。。
もしかしたらこの状況って教育虐待になるんじゃないかなぁ?などといろいろ思い悩み「私よりタイの大学受験に詳しいタイ人の日本語教師の方がいいですよ」と辞退させてもらいました。
娘ちゃんには悪かったな、と思うのだけど、英国籍パパさんの考えを覆すのは私には無理だし、受験後パパさんの夢が叶わないと八つ当たり的な文句を言われそうな予感がしたのです。
ちなみに英国籍のパパさんはアングロサクソン系ではなくインド系の英国籍なので、楽観的な自信家さん。英語で責められたら私に非がなくとも私は反論できないでしょう。
人は生まれ持った特徴を大切に磨いていく人生の方が生きやすいと思うので、親御さんにはお子さんの個性を大切に育んでほしいものです。