
みなさんこんにちは。手相師のミセスKです。
ここ最近、ずっと家にいるので昔読んだ本やマンガを読み返しています。ちょうど今読んでるのは井上雄彦先生の『リアル』。車椅子バスケットボールを題材とした連載途中のバスケ漫画です。
井上先生と言えば、90年代を代表する漫画『スラムダンク』が何はさておき有名ですが、スラムダンクが青春の一コマを凝縮した希望のある作品なら、『リアル』はその名の通り現実の厳しさ、どん底に突き落とされた様に見える人々の生きざまを描いた作品です。
交通事故で脊髄を損傷したり、骨肉腫(骨の癌)で足を切断したりで人生を大きく変えられてしまった人たちが登場します。正直、設定が重いので積極的に読みたいとは思いづらいわけですが……さすがは井上先生!シリアスな内容にも軽く笑わせてくれるシーンを入れて読者を置いてきぼりにはしません。
野宮、戸川、高橋の主要登場人3人のうち野宮だけが健常者ですが、バイク事故を起こし同乗していた女性(たまたまナンパしただけの関係)を車イス生活者にさせてしまったという重荷を背負っていて、高校退学、好きなバスケができず、就活も上手くいかずやっと雇われた引っ越し会社も倒産し無職に……などなど不幸続き。
そんな野宮が、同乗者だった女性に弱音を言うんです。
「道を見失っちまった 今度こそ 心に膜がはったみたいで 何も見えねえや」と。それで彼女の前で涙しちゃう。
彼女に対して弱音を吐ける立場じゃないのだけれど、ヤクザ顔の野宮君(18歳)は強そうでいて繊細。言っちゃったのだ。そんな野宮君に障害を負った彼女は、
「どうせ泣くんなら やりたいことやれば」と言ってくれる。
「一番好きなことだったらさ、たいていのことはがんばれるんじゃない?」と。
そんな優しい発言をした彼女は、車いす生活になったことで吹っ切れて、漫画家を目指し始めたところ。
もともと好きで興味はあったけれど、まさか自分が漫画家になんてなれないよと、最初から諦めていたところ障害を負い、将来の選択筋が大幅に減ったおかげで、歩けなくてもできる漫画家を目指すことを自分に許したのでした。
とても考えさせられるお話。人間は身につけた荷物を削ぎ落すことで、一番大切なものに近づけるのかもしれないなーと。
私はアラフィフで、これまで積み重ねてきたことで幸せに生活させてもらってますが、ここ最近、生活の変化の必要性を感じています。
さすがにコロナが世界を変えたことで、2020年以前と同じ生活を続けられる訳ないだろうから、今の生活にプラスして何かを始めたいのだけど、その何かが見えそうで見えない。お陰でここ最近は自分の手相と睨めっこ状態です。運気は悪くないから見つかるとは思うのですが。