
6月は読書する余裕なしでした
先月から読書日記を再開しましたが、6月は思うほど読書する時間が取れず。しかも少ない時間をマンガ本を読む時間に費やしていました。
読みかけの手相本は来月ご紹介できると思います。
『世界を変えた10冊の本』池上彰
今月マンガ以外に読んだ唯一の本。
タイトル通り、池上彰さんが選んだ世界を変えた名著10冊を紹介しているため、たくさん読書した気になれました。
第一章 アンネの日記
「ユネスコ記憶遺産」にもなった世界的ベストセラーである本書。
オランダ・アムステルダムに住むユダヤ人少女アンネ・フランクの日記を編集し、ナチスによる迫害に苦しんだユダヤ人を世界に知らしめました。
池上彰さん曰く、この本の影響で長いこと亡国の民であったイスラエルは1948年に建国でき、しかもイスラエルとパレスチナの問題で、ユダヤ人の国であるイスラエルがどんなにパレスチナに酷いことしても、アラブ諸国以外の国が大きく非難しないのも本書の影響なんだとか。
それが本当の理由なら、本の力って大きいですね。
第二章 聖書
聖書について説明された本はこれまで何冊か読みましたが、どんなに分かりやすく説明されても、馴染みがないからすぐ忘れちゃうんですよね。
本書では聖書の事を『欧米文化の基礎を築いた』本として紹介され地ます。
聖書といっても旧約聖書と新約聖書の2種類ある。
キリスト教はユダヤ教から別れて始まった宗教。ユダヤ教の聖典である旧約聖書をキリスト教でも聖典としています。“旧訳”ではなく“旧約”と書き、古い約束というのがミソ。
旧約聖書は全39巻もあるそうですが、それらを暗記するまで読み込んでいれば、脳も活性化しそうですね。
その後、キリスト教では全27巻になる新約聖書ができたのですが、大別して福音書(4つ)、使徒言行録、パウロの手紙、公開書簡、ヨハネの黙示録の5つになるそうです。
ハリウッド映画の中には、『ハルマゲドン』という単語が出てきたりしますが、それはヨハネの黙示録に出てくる、悪魔が神に戦いを挑む最後の決戦地の場所名なんだとか。
聖書の知識があるかないかで、欧米文化への理解も深まってくるんでしょうが、私は何度聞いてもすぐ忘れちゃうんですね。
欧米の政治家などは聖書の一文を引用してスピーチをすることが多いそうですが、それって「聴衆のみなさんも当然ご存知のことですが」というニュアンスを持つんでしょうね。
第三章 コーラン
イスラム教は言わずもがな。世界三大宗教の一つ。アラブ諸国を中心に信者がいる宗教ですが、コーランはアラビア語で書かれたイスラム教の経典。
キリスト教徒にとってイエス・キリストは神の子ですが、イスラム教徒にとってキリストは幾人かいる預言者の一人。コーランには神から選ばれた最後の預言者であるムハンマドが広めた「神の言葉」が載っているそうです。
ちなみにイスラム教では旧約聖書と新約聖書、そしてコーランとが3つの聖典になるそうです。
一つ誤解がとけたのがイスラム教徒=男性は4人の妻を持てるという話。これは単にハーレムを作りたい男側の願望を実らせたのかな?なんて思っていたんですが、
ムハンマドが生きていたのは相次いだ戦争で父を亡くした子供が溢れていた時代。 財力ある男は未亡人と結婚し、その子供と共に養ってあげなさい。ただし複数いる妻には平等に接すべし、という考えからできたものだそうです。
そしてイスラム社会では結婚前に夫婦で契約を交わすそうですが、今の時代だと私以外の女とは結婚しないでという契約を交わすカップルが増えているんだとか。
第四章 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
マックスウェーバーの著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』は1904~1905年に書かれた論文で、宗教が経済に与える影響について書かれています。
どうしてアメリカは経済的に強い国なのか?
それはイギリスから海を渡ってアメリカに移住した人々はプロテスタントであったから。とくに禁欲的に働くことを説いたプロテスタントの一派であるカルバン派の考えが資本主義にマッチしていたからという話が書かれています。
大富豪にして米国大統領であるトランプさんもカルバン派の流れをくむ プレスビテリアンというのは有名な話。
かなり勤勉に働いた人なんだと思います。
第五章 資本論
1867年イギリスで出版されたカール・マルクスの『資本論』は、資本主義の欠陥を指摘した内容。
人間の労働があらゆる富の源泉であるという『労働価値説』を説き、労働者は資本家に搾取されていると主張する内容です。
マルクスの資本論に刺激され、ロシア革命を経て社会主義になった国もありましたが、結局ロシアも社会主義は放棄して、資本主義に戻ってますし、
資本主義の悪い点は多々あるものの、それに代わる上手いシステムを示すことはなかった、というお話でした。
第六章 イスラーム原理主義の「道しるべ」
こんな本があるなんて知りませんでした。
『道しるべ』は2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロの首謀者オサマ・ビンラディンの教本となったと言われています。
本書はエジプト人サイイド・クトゥプの思想が書かれているのですが、内容はイスラム絶対主義であり、神の教えに従って生きることが正義であるが、現存するイスラム国家のシステムも堕落しており正しくはない。
堕落したイスラム国だけでなく、同じ一神教であるキリスト教やユダヤ教、そして多神教である日本やインドなども無名社会であるため、ジハード(聖戦)で世界をイスラムで統一すべし、という考えなのです。
しかも彼らの考える正しい世界とは、神の主権で統治された社会であり、国民主権なんてトンデモナイ!という思想なんだそう。
そっちのほうがトンデモナイですけどね。
たしかにこういう話を聞くと、アメリカが躍起になってイスラムテロ組織を解体させようとする気持ち、わからなくもないですが。
第七章 沈黙の春
1962年に出版されたレイチェル・カーソンの『沈黙の春』は世界が環境問題に取り組むきっかけとなった書籍。
名前だけは知ってましたが、今は使用が禁止されている農薬DDTの危険性などを訴えた内容だそうです。
有機塩素系殺虫剤であるDDTは、ノミや蚊などの害虫を退治するのに有用ではあるけれど本書の告発を受け、日本では1971年、アメリカでは1972年に使用禁止になったそうです。
考えさせられたのはDDTの発見者パウル・ミュラーはノーベル生理学・医学賞受賞者なんですね。DDTでマラリアを媒体する蚊を駆除できることもあり、ある一時期はとても素晴らしい発見だったものが、実は環境破壊に繋がっていたなんて。
今は正しいことでも、後々否定されることなんて世の中にはいくつもあるのかもしれないなぁと。
第八章 種の起源
キリスト教社会の根底を揺るがしたイギリス人博物学者チャールズ・ダーウィンの『種の起源』。
いまでは当然のことにされている進化論が書かれた本ですが、出版された1859年当時、生物は神が作ったと信じられているキリスト教社会ではご法度とされるような内容。
万有引力の法則を考えたニュートン然り。その当時の常識を覆す論理って否定されがちですが、ダーウィンを猿になぞらえた風刺画が登場したりしたんだとか。
第九章 雇用、利子および貨幣の一般理論
イギリス人経済学者ジョン・メイナード・ケインズの『雇用、利子および貨幣の一般理論』は1939年に出版されました。
1929年アメリカに端を発した世界恐慌を分析し、そこから大恐慌を防ぐために政府のやるべき財政政治について書かれています。
私自身、大学受験で政治・経済を選択していたので、本書の名前と大まかな内容は知っていたのですが、やっぱりケインズって興味深い人物だなって本書を読んで思いました。
なんとケインズは、美貌の人妻であるロシア人バレリーナにアタックするためお金を儲けなくてはいけなくなり、自分の知識を使って儲けたんだそう。そして見事、彼女と結婚できたんだとか。
相手の旦那さんは可哀そうですが、そこまでして頑張ってケインズが世界を動かした本を書いたってのも面白いなーと。
第十章 資本主義と自由
ミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』。これも高校の政治経済の教科書には名前が載っていました。
本書の経済理論をリバタリアニズム(自由至上主義)というそうで、政府は社会保障などはやらず、軍事や国内調停など必要最低限のことだけをやり、残りは自由にさせるべし、という思想なんだそう。
小泉内閣時代の経済財政政策担当大臣だった竹中平蔵さんがリバタリアニズムでしたよね。
本稿の最後、池上さんの感想として「強者の理論」だと書かれています。たしかに、元気で賢く強い人ばかりの世界ならば、自由にやっていくことで発展するでしょうが、病気だったり老いていたり、生きる力が薄い人には容赦のない世界になりそうですね。
6月に読んだマンガ
『BLEACH1~26巻』
6月は漫画BLEACHを読んで過ごした月でした。
もうすでに終了してますが、以前は週刊少年ジャンプに連載されていたバトルマンガです。
息子から借りて読んでるんですが、敵キャラ(後で味方になる場合もあり)の人数がともかく多くて、しかも1~13班に番号づけされていたり、キャラクターを覚えるのが大変でした。
74巻までありますが、どうしよう。読み進めるかどうか微妙です。
ただ私の住むタイでBLEACHは人気なので、いつかBLEACHファンのタイ人とも会話ができるようネタ仕入れ目的で読み終えるかもしれません。