資格取得を目指す前に絶対に外せない大切なこと

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資格で就活や独立起業が上手くいくのか?

手相鑑定でよく資格試験に関してご質問頂くのですが、私は常々、資格を取得しても人生が今より好転するとは限らないですよ、とお伝えしています。

そりゃあ普通自動車免許などは運転するなら必須ですが、免許証を持つペーパードライバーも少なくないですよね。時間と30万円ちかい費用を掛けて資格をとっても活用できる人もいれば、活用できない人もいるのです。

最難関資格の弁護士資格だって、資格は取れたが仕事にありつけない弁護士だっているのです。

資格は不要!とまでは言わないけれど、その資格を自分は十分に活用できるのか?よくよく考える必要があります。

お金も時間も有限ですからね。

でもそんなこと私が言っても「手相師になにが判るか!」ってお叱りをもらいそうなので、実績ある人の資格に対する考えを拾ってみました。

弁護士が語る資格を取って開業

まずは最難関資格である弁護士資格をお持ちの大迫恵美子弁護士。彼女の『テレフォン人生相談』での回答をみていきましょう。

弁護士からみた資格をとって開業

39歳の男性からの「今の仕事を辞めて資格をとって開業しようか悩んでいる」というご相談に対する大迫弁護士の回答は、

「資格さえ取ればその資格だけでご飯が食べていけるといわれる資格はそんなに多くないと言われている。

自宅で開業だとお客をつけなくてはいけない。

黙って座って待ってるとお客が次々と来るほどの資格が日本にあるのか。

昔は弁護士の資格は唯一、その資格で食べていけると言われていたのに、この頃はそれもだんだん厳しい時代だと言われている。

資格がそれだけでご飯が食べていけるのなのか十分にリサーチしてからじゃないと危ない」

沈着冷静な大迫弁護士らしい回答ですね。

その回答に対して質問者は「一応リサーチはしたつもりではいるんですが、足りないのかもしれませんね」とのこと。

大迫弁護士の理路整然とした問いかけから、その資格に対しての知識が足りないことを自覚されたようです。

資格のリサーチについて

大迫弁護士は、資格のリサーチ方法を教示されています。

開業している人に直接、どうやって顧客を開拓をしたのか、今の市場の状況がどうなってるのか聞いて、かなり踏み込んで具体的に考えていかないと、もう何年もやって成功している人を見て大丈夫だと考えるのは危険」

と、まだ開業したことがない人が見逃しがちな点を教えてくださっています。

「どうやって勉強しましたか?」と資格保有者に質問する人はいても、「顧客開拓」や「市場の現状」などへの質問までは考えつかない人もいますよね。

資格がある無し以上の別の能力で、例えばお客を非常に取れるということで成功している要素もある

大迫弁護士のようにメディアに出て知名度のある弁護士に「どれくらい収入ありますか?」と聞いても参考にならないのは言うまでもありませんよね。

お金を払ってリサーチ

私事ですが、手相鑑定を受けてくださった方から「占い師ってどうですか?」と質問があれば、答えられる範囲できちんとお答えします。それで「裏事情までありがとうございます!」なんてご感想を頂いたこともあります。

士業やセラピスト、占い師など、お金さえ払えばプロに直接面談可能な職業なら、お金払ってリサーチすることをお勧めします。

手相師でさえ職業について調べる

私は適職や進路に関する手相師をしていますが、ご相談者様が臨む職業について、私の知識が足りてない場合は、それなりに時間をかけて調べます。

〇〇という職業に必要な資質は何か?
その業界は現在どんな状況か?と。

例えば医者。

頭脳がいい人の代名詞ですが、知性だけでなく、体力も必要な業務のようです。

臨床医であればコミュニケーション能力
開業医であれば経営センス
研究医であっても上司や研究仲間との人間関係

あとAIが発展したら受ける影響はどんなものか? 可能な限り調べます。

ちょっと辛口なこと書かせてもらえば、「〇〇目指しています。なれますか?」というご質問をいただいたときに、

上手くいきそうな人って、その仕事について理解が進んでいる方なんですよね。

逆に無理!と判断した人は、その職業についてふわっとした理解しかされていない人が多いです。

だいたい手相とご当人のお話とは一致しています。

キラキラした夢物語的に目指すのではなく、もう少し現実を見据えて目標を設定したほうがいいと思いますよ。

まあ、何も知らずに飛び込むフットワークの軽さも若いうちはいいですけどね。
生活かかっている人は、良い面だけじゃなく難しい面も確認しましょう!

プログラミングで稼げる人が語るITエンジニアの資格

続いては、プログラミングで収入を得ているマナブさん。彼はプログラミングで年収1000万円稼いでいるそうです。

そんなマナブさんがプログラミングの資格について語っています。

プログラマーに資格は必要か?

マナブさん曰く、資格の勉強は一切不要その理由は、資格があったからといって採用されるわけじゃないから

ある特定企業が、ITパスポートや基本情報技術者試験などを必須資格として指定するが、大半の企業には不要だから。

彼の周りのプログラマーも資格を持っている人は少ないんだそうですよ。

資格を取るメリット

なぜ資格を取るのか?といえば、就活で有利につきたいから、ですよね。

資格を取って企業から信頼してもらい仕事につなげたい、つまり資格=信頼、だというイメージがあるから。

では、資格の代わりに信頼を得るにはどうすればいいのか?マナブさんは3つ挙げています。

資格を取るより大切な3つ

市場から信頼されるための3つのこと。自分でもできそうなこともあれば、難しいこともありますが、参考になりました。

1.お金を稼ぐ

お金を稼ぐ=信用を獲得できる。

信用があれば企業に採用されやすくなったり新たな仕事を得るのに有利。

マナブさん自体、プログラミング以外にもブログやtwitter、YouTubeなどでも活動し、年収1800万円ほどあるそうです。

それくらい稼げる人であれば就職する必要もないので、Googleとかマッキンゼーとかハイクラス就活になりそう。一般人にはあまり参考にならないような……。

まあでも、学業・本業と両立して副業プログラマーで月〇〇万円稼いでいます!ってのはアピールになりそうですよね。プログラマーはフリーで仕事を獲得しやすい職業なので、少額でも就活前にお金を稼ぐことはできそうです。

2.自分のプロダクトを作る

最初は3か月くらい勉強すればできるような小さなモノでいいから、自分でプロダクトを作る。

「こんなの作りました」と就活時に採用担当者に見せれば、その人の実力、プログラミング能力、企画力、行動力がわかり、それが信頼につながるから。

マナブさん自身、いろんなプロダクトを作ったことがあるそうで、ほとんど失敗したらしいですが、行動はしているそうです。

ヒットメーカーの秋元康さんだって、おニャン子やAKBなど大ヒットさせた実績がありますが、その陰で売れなかった企画も多いですしね~。

時間は有限。資格試験のために使う時間を、失敗を恐れずプロダクト作りにまわしたほうが良いように思います。

3.情報発信

情報を発信すると、その情報の品質=その人の品質となる。その品質で企業や顧客に信頼してもらえる。

マナブさんはプログラミングだけでなく、ブログやtwitter、YouTubeで活動されています。

そこからプログラミングやライティング、コンサルなどの依頼がくるそうです。

そこまで達成するために、濃い内容のブログを毎日更新したり、twitterも日によって20~30ツイートされてたり、かなり頑張っておられます。

情報をただ発信するのではなく、”真剣に”情報を発信することが条件だとは思いますが。

資格試験は簡単!?

マナブさん曰く、資格試験は簡単なんだそうです。

合格が簡単というより、既存の参考書を読んで勉強する「筋道が分かっている学習」だからです。

誰かが考えてくれたレールに乗っかるだけで、現実社会で求められる能力は他にある、と解釈しました。

「資格さえ取れば独立起業できる!」がダメな理由

私が考える「資格”さえ”取れば独立起業できる!」がダメな理由は、

独立起業する人が絶対に持たなくてはならない、ライバルとは違った自分の利点を作りだし売り込めむ能力がない人の考え方だからです。

誰かが考えたレールに乗っかるのが資格の勉強。

レールに乗る作業が得意なら、上司がいる会社で定型的に働くのが良いと思うのです。会社で優秀な人材と、起業独立できるのとは共通する面もあれば、違う面もありますからね。

「資格さえ取れば独立起業できる!」と考える人は、決められた仕事をこなすのが向いていると思われます。

人それぞれ向き不向きがありますからね。

どうしても独立起業したいなら、考え方を独立起業向けに変えること。それが出来ないなら組織で働く道を考えた方が幸せになれると思いますよ。