日本の専業主婦世帯と共働き世帯の推移
今回は、女性の仕事と家庭の両立について考えてみたいと思います。
まずは日本の専業主婦と共働き世帯の推移を簡単にまとめると、
共働き世帯が増えたのは1986年に施行された『男女雇用機会均等法』が契機。また、大学を出た優秀な女性が増えたのも一因と言えるはず。それと90年代初頭のバブル崩壊を経て、夫の収入だけでは不安/足りないという世帯が増えたからでしょうか。
私も8年ほど子育て中に専業主婦をしていましたが、夫の収入だけじゃ生活できないので働き始めました。これからの日本では、妻がずっと専業主婦でいられるのはセレブ家庭くらいかもしれませんね。
タイ人ママの仕事と家庭の両立事情
私はタイ・バンコク近郊に住んでいるので、タイ人ワーキングマザーたちの実態を観察する機会があるんですが、
一言でタイ人と言っても、平均化することは難しいです。
中華系タイ人と元々のタイ人、バンコク首都圏のタイ人と地方在住のタイ人などでも価値観や生活パターンは違ってきます。また、貧富の差が大きいので、富豪系ママとそうじゃないママとでは、すべての点に置いて違いがあります。
ただ一つ言えるのは、お金があっても働いている女性は多く、現時点で日本よりもタイの方がワーキングマザーは多いと思います。
各階層のタイ人ワーキングマザー
タイの富豪ママ事情
まず、富豪系ワーキングマザー。
実際に彼女たちの富がいくらあるのか?は聞いてる訳じゃないですが、自宅は3000万バーツ(約1億円)以上で、高級車が大人の人数よりあって、運転手付きの車で移動。お手伝いさんが両手で数えるくらいいるご家庭を、私の基準でタイ人富豪層と呼んでいます。
世界2位の渋滞都市バンコクですが、運転手付きの大きな車で移動しているので玉突き事故で前後潰れても主人は大丈夫?!車中でビデオ鑑賞したりネットしたり、公共交通機関で移動する一般人とは時間の流れが違います。
このクラスの奥様は基本、大卒で英語は片言くらいなら可能。留学経験者も多く、ペラペラな方も多いですね。
子供の学校の長期休みには海外に1週間以上は出掛けていくだけのスケジュール調整ができる人たち。私の知り合いだと日本贔屓な人が多いので年に3,4回日本へ旅行しています。
そんな奥様たちは、ご主人かご実家の経営する会社の役員になっているか、ご自分でビジネスをされる社長さんですね。当然と言えば当然ですが、このクラスで雇われて働く人を私は知らないです。日々の生活費のために働くというより、自分の能力を社会で活用するために働いている感じ。
子育てに関しては、住み込みのお手伝いさんとベビーシッターに任せているので、ベビーフードを作ったり、オムツを替えたりをお母さんがすることはありません。子供との添い寝もベビーシッターがやってくれます。子煩悩なお母さんはご自身でやっているようですが、子供の世話をしなくても悪い母親だとレッテルを貼られることはありません。
もちろん家事もやりません。料理が趣味な人なら料理くらいはやってるようですが、、、パーティーなどで人に見せるためなのかも。
このクラスでご自分のことを専業主婦だと言っているママさんも、自宅敷地内にご主人の会社があるので実質、働いているようなものですが、自由な時間は教育ママとして4人のお子さんをビシバシ教育されてますね。
基本このクラスの人たちは、その親もお金持ちであることが多く、お金を増やし守る家庭教育を代々受けているので、夫婦ともに働き者。
ただ問題もあって、このクラスの子息の一部はニートになりやすい。。。ニートと言っても親や知り合いが経営する会社に籍は置いてあって本人は何もしなくても報酬は手に入るので日本のニートとは違うんですが。。。
車も家も、ローンなしで親がポーンと買えるご家庭にも、そのご家庭なりの問題があったりするんですよね~。
何はともあれこの層は、子育てと仕事、両方できるだけの資金は潤沢なので可能です。
中流タイ人ママ事情
タイの中流といっても、その中で格差がありそうですが、私のイメージでは日本人でいうなら年収600万年~1500万円くらいの感覚でしょうか。
夫の年収がそれくらいあれば、日本だと妻は専業主婦になって夫を支えるイメージですが、タイ人は共働きですね。その代わり通いのお手伝いさんなどを雇って家事を代行してもらっています。
基本、このクラスも大卒で英語もある程度可能な人が多く、どこかでお勤めをするか、ご自分で人を数人雇うレベルの小さなビジネスをやっています。
車通勤の場合は自分で運転。渋滞の激しいバンコクでの運転は疲れちゃいますが、すし詰め状態の電車やバスでの移動よりは楽かも。快適さと同時にステータスとして車通勤する人は多そう。
タイも日本と同じ少子化問題を抱えていますが、タイの産休は短く、産後2か月で職場復帰になります(キャビンアテンダントなどは長め)。だからと言って、出産を契機に退職する女性はほとんどいません。
生まれる直前にはベビーシッターを雇って、復帰に備えます。それなので待機児童問題はないですし、急な病気で会社を休む心配もなし。強いて言えば、お手伝いさんやベビーシッターの管理はしっかりしなくちゃいけません。子供の様子がおかしいと思たっら、ベビーシッターから虐待を受けていたと判明しカウンセラーに通わせることになったとか。。。問題もあるので。
タイより物価の安い近隣諸国から、家政婦やベビーシッターの出稼ぎが来てくれる限り、この層も子育てと仕事の両立は可能ですね。
タイ庶民のワーキングマザー
タイ庶民といってもいろいろで、お勤めしている人もいれば、市場などで商売をしている人もいます。
さすがに庶民レベルだとベビーシッターを雇うことは無理な上に、母も働かずには生活は成り立ちません。
初めてタイを旅行した時、国立博物館の展示物の後ろで、係員の子供らしき子達が昼寝していたのには驚きました。でもそれはよくある光景で、バンコクの公共バスは運転手以外に料金を徴収する車掌さんも乗っていますが、たまに女性車掌さんの子供らしき子が同乗していて、家に子供だけ置いておけず同伴出勤してるんだなーと眺めています。
やっぱり庶民はどこの国でも働かなくちゃ生きてけないですね。
実家が田舎にある人たちは、子供を田舎に預け、親だけバンコクで生活費を稼ぎ仕送りする、という道を選んでいる人もいるようです。日本以上にタイは首都に経済が集中していますからね。
うちのご近所さん(庶民クラス)は3世帯同居のご家族、しかも磯野家のように入り婿パターンが多く、おばあちゃんが娘孫の世話をしているご家庭がいくつかあります。おばあちゃんが大切に孫を育ててくれるので親夫婦は安心してバリバリ働けて、傍から見てると幸せそうです。
この層は絶対的に女性も働かなくてはいけないので、各自手段を考えながら子育てと仕事を両立させているようです。
タイと日本の子育て、どっちがいいか?
私は日本で子育てをしたことないので聞いた話を参考に考えると、断然タイでの子育ての方が人間的。
社会制度はまだ日本の方が整っているかもしれないけれど、母親の負担の大きさを考えると、日本でワーキングマザーをしたいとは申し訳ないけど思えないです。
小さな子供を田舎の親に預け親は都会で働くなんて、日本の社会常識からすると有りえないですもんね。