今回は、起業したいという方に読んでいただきたい本の紹介です。もちろんフリーランスを目指す人にもお勧めですよ。
商売の原則
作家であり、いくつものスモールビジネスを立ち上げている邱永漢さんの著書『商売の原則』。
1995年に書かれた古い本ですが、これから独立開業を目指す人には知っておいてほしい話ばかりです。
インターネット時代になっても、国際競争が激しい時代でも、時代を問わず絶対に大切なことです。
今では使えない古い記述(デパートをぶらぶら散歩して商売の種を見つける、など)もあり、Amazonでの評価はそれほど良くはなくのですが、
これから独立開業したいと考える人には、行動する前に絶対に知ってほしいお話です。
独立開業に向く人向かない人4項目
まずは本書から学べる独立開業に向く人向かない人を4つにまとめてみました。
◆金銭感覚のあるかどうか
◆30代以下か以上か
◆失敗を克服できるかできないか
◆夢中になれる仕事をしているかどうか
もちろん金銭感覚があって、30代以下で、失敗を克服でき、夢中になれる仕事をしている人が独立開業に向いた人です。
独立開業に金銭感覚は必須
商売をするにはまず、お金の全体の流れを見て、このコントロールをしなければなりません。(中略)月給さえコントロールできない人は、商売には向いていない
ビジネスに金銭感覚は絶対に外せません。
独立開業しても消えていく人は後を絶ちませんが、商売はそこそこ順調でも、出費が多く借金まみれで首が回らない人などは金銭感覚がなかったのでしょう。
仕事をしていると身なりを整え、勉強や人脈を広げ保つための出費は出ますが、入ってくるお金と税金を含め出ていくお金の管理ができないと、長続きは難しい。
・給与前には金欠になる人
・気軽にローンを組む人
・計画的な経済活動ができない人
これらの人は起業やフリーランスは向かないのでサラリーマンが無難です。この手の人は毎月決まった日に給与をもらうという枠を外すと、とんでもない失敗を犯しちゃう可能性がありますよ。
これは投資活動をする人にも当てはまることですね。
金銭感覚があまりよくない手相
私は手相師なので手相的なこともお話しますね。
手相には、金銭感覚があまりよくない財運線というのがあります。
実は、よく見かける財運線なんですけども(^_^;) それはこれ。
手相にでる散財する財運線

何本もある短い財運線
小指の下のふくらみ、水星丘に細く短い線が何本も弱弱しく出ていると、散財する財運線。多いですよ~。
それなりに収入はあるけれど、その分使ってしまう人もこの財運線です。
貧乏ではないけれど、得る収入に対して大きな貯金はできないタイプ。
独立開業するのに必要な金銭感覚はあまりない人だと言えます。
散財する財運線と形状の悪い太陽線
上記の散財する財運線を持ち、それに加えて幸福度を表す太陽線の形状が悪かったり、停滞を表す島(アイランド)や障害線などが出ていると、金銭トラブルを抱えてしまう可能性大。
独立開業は止めておいた方がいいタイプです。
苦しい生活から抜け出すためには収支を見直し、借入などは控えるように心がけましょう。
散財する財運線と形状の悪い知能線
散財する財運線と、島(アイランド)や障害線が出るなどの悪い知能線が一緒に出ていると、根本的な考え方がお金の管理に向いてないので商売に手を出すべきではありません。
独立開業は40歳がラストチャンス
事業家を目指すなら、40歳がラストチャンスだそうです。
事業家になって成功した人たちは、だいたい二十七歳から三十五歳までのあいだに脱サラしています。
四十歳はラストチャンスです。限度といってもいいでしょう。(中略)よほどの例外をのぞいて四十を超えたら、新しく商売を始めるのは無理と思っていいでしょう。
こちらも真理をついていると納得。ただし、これまで商売で成功した人が、新しく別商売に手を出すのはアリだと思います。
お勤め生活が長く、言われた仕事をこなすことや、月々お給料をもらう暮らしに慣れている人が40歳を過ぎて自分のビジネスを始めるのは難しいでしょうね。
ただし、例外な人もいるのですが。
60代で開業した一例
私の身内に58歳で早期退職して、学校に通い国家資格を取り、退職金を使って60代で自営業を始めた人がいます。
自分の興味ある分野でお仕事を始めて、やり甲斐ある日々を送っていて素敵。
しかし、それ一本で生活できるか?質問したところ、月5万円を稼ぐのは無理らしく、年金がなければ生活はできないそう。
もちろん資格取得にかかった費用や起業資金を回収するまでには至らず。
もともと知り合いの多い人なので、多少の集客はできるようですし、自宅(持ち家)開業のため経費はそれほど掛からないのですが、独立前に思い描いていたほどの稼ぎは得ていないようです。
贅沢しなければ年金だけでも十分に生活できるので、老後の楽しみとしては良い選択だと思います。
独立開業を目指す40代、50代が増えています
私の手相鑑定には、40代・50代で退職&独立開業を目指す人からのご相談は少なくないです。
日本型雇用制度が崩壊しつつあり、定年退職後も働かないと経済的に苦しいため、いっそのこと今から独立して自分の好きな道で頑張りたいと考えるのも、時代なんでしょうね。
しかし先ほどから書いているように、誰もができる事ではないと思います。
ほかに生活資金がある人でない限りお勧めできません。例外をのぞいては。
例外と言える人の共通点は
では、40代・50代で独立開業してもやっていけそうな人、例外の人とはどんな人でしょうか?
最低でも下記8つに当てはまる人だと私は考えています。
情熱をもって取り組める仕事
儲かりそうだから、世間体がいいからといった理由ではなく、自分が好きで情熱をもって一生涯続けられる活動であること。
個人でできる仕事
人を雇うなど会社形態にするのではなく、自分一人で完結できる仕事であること。
趣味的に長く続けすでに技術を身につけた人
現職を続けながら10年以上趣味として、あるいは副業として続け、すでにプロとして活動できる域に達している人。
金銭感覚がある人
40代・50代であれば、数年間収入がなくても暮らせるだけの貯金を持っている。
すでに集客できる人
すでにその仕事で人に教えたり商品&サービスを提供できる人。ファンがいる人。(趣味的にやっていた人)
多くを求めない人
起業して周りに評価されたいとか、家族を養うくらい儲けたいとか、借金を返したいとか、サラリーマン時代と同程度の収入を期待するとか、多くを求める人は難しいです。
月10万円稼ぐのって、結構大変ですからね。
精神的に強い人
最初から成功するわけではなく、失敗を繰り返しながらカスタマイズしていくのが商売。そのため失敗しても立ち直れる強い精神力を持つ人。
相応の覚悟を持っている人
きらきらな夢事ではなく、厳しい世界に飛び込むんだという覚悟を持つ人。
できれば30代までにチャレンジを
40代・50代でもチャレンジできる人は少なからずいますが、ずっと会社員生活を続けていた人が、環境変化の激しい独立開業という世界に入るのは厳しいです。
柔軟な考えができ、肉体的にも無理の利く30代までにチャレンジすることをお勧めします。
起業は失敗する覚悟で
最後にもう一度、『商売の原則』から為になる言葉を。
一度の失敗でやめるくらいなら、はじめから商売に手をだすな。
成功は、数多くの失敗のうえに成り立っているのものです。苦境を自分の手で切りひらいてきたからこそ、成功できたわけです。
手相鑑定では、これから商売を始める・起業するという人からのご相談を受けますが、
・ビジネスセンス
・知能の使い方
・金銭感覚
・人から助けられる運
などを観させてもらいます。
また、何か障害が起きないか?その後乗り越えられるか?なども手相に出ていればお伝えします。
退職金をつぎ込んで始めた起業がポシャっても、また一からやり直せるくらいの強い人であれば、私も背中を押しやすいですからね。
邱さんがおっしゃる通り、1度の失敗で辞めるような人は、本人のためにも最初から起業なんてやめるべき。厳しいですけども。