戦争はどうして起こるのか?~風と共に去りぬ

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明日は8月15日、終戦記念日ですよね。

去年も同じ時期にブックレビューを書きましたが、アメリカ南北戦争と敗戦後の辛い時期を舞台にした『風と共に去りぬ』を今年も読み返しています。

戦争って戦争中はもちろん大変ですが、その後、敗戦すると戦時中よりも厳しい生活がやってきて、これまでの平和な生活が180度変わってしまうという・・・なんで戦争なんて始めちゃったんだろう?と悲しい気持ちになってしまいます。

雄弁家どもが、どんな景気のいい標語をあたえようと、どんな崇高な目的をこじつけようと、戦争には、ただ一つの理由しか絶対にありません。それは金だ。戦争はすべて、じつは金の奪いあいなんです。

『風と共に去りぬ』マーガレット・ミッチェル

著者であるマーガレット・ミッチェルは、父と兄がアメリカの歴史を研究しており、小さい頃から南北戦争時代の話を聞かされ、また、本人も10代で第一次世界大戦を経験しています。

それもあって、戦争と戦後の雰囲気がリアルに伝わってきます。沖縄での地上戦の話と似てるなーと思える点もあって(鬼畜米兵は女を手あたりしだい手籠めにするとか、老人や子供は見つけしだい殺されるとかっていう噂がまことしやかに囁かれた点など)結局、理由はどうであれ、戦争って同じ過程、同じ結果を残すんじゃないかと思えてきます。

戦争の原因は奴隷問題じゃない、それは、ほんの口実にすぎない。

2017年現在、なんとなく世の中が戦争に向けて動いているように思えるのは、やっぱりお金も絡んでいるのかなーと。

いろんな人がアレコレ焚きつけ、ご本人たちが意識するにしろしないにしろ、発している言葉以外の本当の理由も考えてみたほうが良いかも。

追記:奴隷制度を肯定しているわけではありません。いくつもある戦争を始める理由の一つとして、利権問題もあるだろうなーと。景気が悪くなる(国民に不満が出てくる)と戦争に傾く傾向があるので。大義名分に踊らされ、むだに戦争へ走らないためにも、斜めから読むことも大切だと思います。

けれども、それをさとっている人は、ほとんどいない。

男ってものは戦争が好きなんだ。だからいつの世にも戦争がある。女は戦争が好きじゃないが、男は好きだ—まったく女を好く以上に戦争が好きなんだ。

戦争好きなのは男性だけじゃないけれど、少なくとも闘争心を司る男性ホルモン「テストステロン」が作用しているのかも?

けっきょく動物である人間の本能には、戦争したくなる感情が隠されているのかもしれませんね。残酷であり、それでいて美しいのがこの世ですからね。

だから戦争をしない、というのは、相当の努力というか、自制心&理性が必要な作業なのかもしれません。

本能が勝つか、自制心&理性が勝つか。

第一次世界から第二次世界大戦まで、大きな戦争がなかったのは約25年の短い期間しかなかったけれど、

日本は第二次世界大戦後、72年間戦争をしていない奇跡的に平和な時代を迎えていて、それだけでも人類の努力、自制心&理性の賜物なのかもしれません。

などと、本を読みながら考えたりしたのでした。

古いし、人種差別的な表現も多い本だけど、これ読むと絶対に戦争なんて嫌だという気持ちにさせてくれます。よろしかったら読んでみてください。