皆が等しく貧乏になる日本~低欲望社会 1からの続きです。
若者に広がるプア充とは
まずはプア充とは?
お金や出世のためにあくせく働くのではなく、収入が低いからこそ心豊かに生きられるという考え方
大前研一・著『低欲望社会』「大志なき時代」の新・国富論 P81
2013年に島田裕巳・著の『プア充~高所得は、いらない』が発売され話題になりました。プア(貧乏)だけど充(充実している)という意味合いですが、プア充とは年収300万円くらいを指すようです。
プア充は続かない
年収300万円は貧乏じゃないでしょ!というツッコミを入れたくなりますが、プア充が増えれば日本は活力を失う、と大前研一さんは説いています。
スウェーデンでも一昔、プア充的思考が蔓延した時期があったそうですが、そうなると社会に澱みができたため、国が働く意欲を刺激する政策を立ち上げていき、今の繁栄につながっているのだとか。
イギリスでも同じくプア充的思想が80年代にあったのだけれど、規制緩和で停滞した経済を持ち上げたところ、貧富の二極化が起こり、プア充はただのプア―な人になってしまったのだとか。
つまり、プア充はいつまでも続くわけではなく、外的支援などで積極的に働くようになるか、充実のない貧乏な人になるか、どちらかだ、と大前さんは指摘しています。
AIの発展でプア充するしかない
ここからは私の反論ですが、スウェーデンやイギリスが復興した時代と今これからとは、まったく違った社会になっていると思います。
今後はAIの発展で、消えていく職業が半分くらいあると言われています。しかも産業革命の時代と違って、農業から工業へ労働者に職業替えさせたときほど、人に与えられるポストは少ないはずです。
仕事がない人が増えるか、一つのポストを複数人の労働者で分けるか、そんな時代になるかもしれない、と言われています。
少なくともこれからは経済的中間層は減り、ごく一部のお金持ちか、その他大勢と大きく二極化するはずです。
国の政策次第でプアな人が充実するかどうかが決まってしまいそう。
企業は人件費が節約できる分法人税を大きくし、そのお金を広く皆で使って行くことができれば、プア充は可能なのでは?と淡い夢???を見ています。
世の中、出来ることならアクセク働かずのんびり生きる事が好きな人が多いと同時に、上を目指したい人も少なからずいますからね。
次回に続きます。
おすすめの本
低欲望社会: 「大志なき時代」の新・国富論 (小学館新書) (小学館新書 お 7-2)
著者:大前研一