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夏目漱石『それから』で想像するニートのそれから

この記事は約4分で読めます。

活字を読むのは苦手でも、文学には興味ある人にお勧めなのが、音声として文学を楽しめる『朗読ブック』。

基本、著作権切れ作品の朗読が多いようですがYouTubeにいくつかアップされているのでご興味ある方は聞いてみられては。

国語が苦手な受験生や、(奥の手ですが)感想文を書かなきゃいけない学生さんにも良いかもしれません(;^ω^)。

私は目が不調で読書もダメ、テレビもビデオもダメって時に巡りあい楽しませてもらいました。

いくつか聞かせて頂いた朗読ブックの中で私が面白い!と思ったのが

それから・門 (文春文庫)

《朗読》夏目漱石『それから』(1)

遠い昔、中高時代に読んでたはずですが、大人になって耳で聞いてみるとその現代風な悩みに驚きが。

まるで現代ニートの風刺か?!と思えるほど現代風でした。

主人公は大学を出たあと働かず実家からの仕送りで優雅に生活をする知識豊かな男性。

どれだけ知的かっていえば、あの時代に洋書を原文で読めちゃうような人。エリート中のエリートなのでしょうが、生活のための仕事は低俗だと30歳まで親からの仕送りで優雅なニート生活を続けていたのです。自称『高等遊民』。

が、しかし!
友人の妻である、実は昔から恋心を抱いていた女性に対し、その情熱が抑えきれなくなり、相手の夫に告白してしまう。

不倫(姦通罪)は重罪とみなされていた当時、その夫から主人公の父へ密告の書簡が出され親に勘当。生活のために働き口を探さねば、という場面で物語は終了します。

それからどうなるんだろう???って主人公の未来をアレコレ想像させてしまう読後感がさすがは漱石!と思わされました。

ニート問題は昔からあった

21世紀に入ってニートが騒がれるようになりましたが、

漱石の時代(明治~大正時代)にもニートは存在していたようで、ニートは今の若者の問題というより、働かなくても生活できる人が増えたからニートを許される人が増えた、と言うことでしょう。時代というより環境のようです。

ただ、働かなくても許される環境だと言っても、

■仕事が好き
■社会に関わりたい
■自分の能力を活かしたい

そんな人ならお金持ちに生まれても仕事の道を選ぶのでしょうが

ブラック企業がどーのこーのと騒がれるご時勢。働かなくても生活できるなら、ニートを選択する人がいるのも当然なのでしょうね。

とは言え、「それから」の主人公は30歳にして初めて就活をスタートさせるわけで、その後、どんな状況になったのかは書かれていません。

主人公のそれからは、読者一人一人の中で作り出すしかありません。

私はどう感じたか?と言えば、ガチガチの理論武装で労働を小馬鹿する主人公を考えるとキビシイ未来しか想像できず、すごく苦労するのだろうと予想するわけですが、

働かず家でぷらぷらするのが悪い!というより、

◆柔軟性のない頑なさ
◆それでいて優柔不断
◆人を見下すことで自分の優位性を保つ
◆凝り固まった理論武装

などなど、主人公の性格に問題を感じます。

彼のような人が30歳で初めての就活となると、たとえどんなに優秀でも、合うお仕事なんてあるのかな??? と訝ってしまいます。

主人公がやるべきことは、まずは人を見下すことを止め、謙虚になること、でしょうか。

お仕事をする際、能力があるに超したことありませんが、それ以上に本人の姿勢が一番大切だと、物語から学ばせて頂きました。

現代ニートのそれから

【追記:2019年6月13日】

上記の記事を書いてから3年が過ぎましたが、いろんな社会的事件を見聞きして、考え方も少し変わってきました。

これまで一度も働いたことのない主人公は30歳にして、働かなくてはいけない状況に追いやられ、仕事を探し出すわけですが、それはある意味、主人公の人生にとって救いの手だったのかなと。

このキッカケがなければ一生、実家のスネを齧り、世間を知ることはなかったはずだから。

“それから”の時代、新生児や幼い子の死亡が多かったとはいえ平均寿命は40歳くらいですから、30歳は今の時代で考えれば中年の域。そこから一歩歩み出せたのは、自分の存在にとって大切な愛する人を得るため。

ニートから卒業するためには、仕事を探すよりも前に、自分の人生にとって大切なものを見つけることなのかなって思いました。

言うは易く行うは難しですが。