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科学者が語る『前向きな気持の大切さ』

筑波大学の村上和雄先生の『生命のバカ力』を読みました。


生命のバカ力 (講談社+α新書)

ふざけたタイトルですが(笑)かなり感動モノですよ!

村上先生について簡単に説明すると、元々は農業が専門。日本で行きづまりアメリカに渡り医学部で研究。そこで高血圧に関係ある「レニン」の研究を開始、筑波大学開校にともない日本に帰国。筑波大で「脳内にあるレニンの純化」に成功。

こうやって文章にするとすごいエリートが順風満帆な研究者生活を送っているというイメージが浮かんできそうですが、

本書を読むと、悩みながらも前向きな気持ちで目の前の課題に真剣に取り組んでいるうちに、火事場のクソ力が発揮され、運が味方についてくれた! ってことがよ~く分かります。

「レニン」細胞は脳にもあるのか? という長年の問題に答えをだすため、研究を始めるのですが、それが一筋縄ではいかない。

「絶対にできる!」と信じ、知恵を絞って、研究に必要な牛の脳を分けて欲しいと東京の食肉センターにお願いするも「変態」と勘違いされ、何度も通ってやっと提供してもらい、

筑波大の研究チームやその周りの人を巻き込んで手弁当で脳の皮むきをし……

やっと、やっとの思いで脳内のレニンを発見♪ 世界中の研究者が集まる学会で発表。

各国の研究者たちからは

「日本は経済大国になったから大量の牛を輸入できた。だから出せた成果なんだろ?」

と勘違いされたそうですが、

「いやいや、輸入じゃありません。食肉センターで分けてもらって皆で皮をむいたんです」

と説明したら学者たちは驚いていたんだとか。

おおかたの研究所が研究費の工面に四苦八苦しているのでしょうが、村上先生は知恵をしぼることで資金がなくても研究を続ける道を見つけたことがスゴイ!

その後も壁が何度も訪れるのですが、そのたびに悩みながら前に進んでいき、必要に迫られ、遺伝子工学の研究を始めます。

医学分野の研究をしていても遺伝子(DNA)なんて素人。

しかも仏パスツール研究所やハーバード大といった大物研究所がリードしていた中、後発組の筑波大は苦戦。

前に進むことができずに諦めようかと思い悩んでいた頃、

たまたま外国でばったり、日本のDNA研究の第一人者に遭遇。

その先生がバックアップしてくれることになり見事、目的の研究を達成できたんだとか!

そんな村上先生は、

遺伝子の研究を続けることで「サムシング・グレート(偉大なる何者か)」が存在するのでは?と考えるようになります。

これまでの研究の中で幸運としか言えない何か大きなものに導かれている感覚。そして、研究が進みクローン羊はつくれても一から生命をつくることは不可能。

遺伝子という、すべての生物に備わっているものが人間であろうと大腸菌であろうと似たような設計図で書かれている不思議。

そんな素晴らしいDNAを作り上げたのは、ただの偶然とは言えそうにない!

私たち生命を作り上げたサムシング・グレートとは一体何なんだろう???

*~*~*~*

まさか第一級の科学者が不思議世界と同じことを考えてるなんて……面白いな~と思いましたが、

幸運が欲しい!と思うなら、サムシング・グレートが喜ぶ生き方、

つまり、

毎日をわくわくと楽しく生きる、前向きな気持が大切だと村上先生は考えているようですよ。

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