思うところがあって私はトリプルワーク、3つの仕事をかけ持ちしています。その一つ、日本語家庭教師先で感じたこと。
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生徒の一人に印僑、
つまり、外国に住むインド人の少年がいます。
英国式インターナショナルスクールに通うヒンディー語と流暢な英語を話す15歳の少年。
学校では日本語を第2外国語に選択し、希望の大学に進学するため日本語も良い成績を取る必要があり、それで家庭教師をつけています。
私は海外生活者ですが英語圏ではないので英語力は弱い(;_;)
でも、どうにかこうにか手をつくしインド人少年とも、ご家族とも、関係を築いてきました。
私もインド人家族も当地では外国人ということもあり、気持ちが通じやすかったのでしょうか。
が、しかし。これまでインター校の生徒を教えた経験がなかったので、彼の態度に慣れるまでは、いつもビックリさせられました。
まず、日本人や当地の生徒ならばいちいち質問をしてこない細かいところをインド人生徒は質問してくる。
それは良いことですが、私が慣れてないため内心えっ?って思いました。最初は。
もう一つ、彼の「超」ポジティブさにもビックリ。
もう2年も日本語を学んでいるはずなのに、ぜんぜん上達しておらず、ひらがなでさえ怪しいのに、自分はデキる!って思い込んで、将来はMITかオックスフォードに留学する!
と、夢がデッカイ。
どうやらお父さまの教育方針が「褒めて育てる」「自信ある人間にする」ということのようで。
まあ、この自信が彼の持ち味なんだな~と納得していたのですが、
「インドは○○な国です」という文を作るよう指示したとき、彼が「Dirty(汚い)?」と言ったのにはビックリ。
彼から自分にまつわるネガティブ発言が出たの初めてだったので。
何と言いましょうか、彼は本国でも高くはないけれど低くもないカーストに生まれ、小さい頃までインドで暮らしていたのですが、休暇には世界旅行ができる経済力を持っているため、
普段は自信たっぷりな態度でいるけれど、自国と世界とを比べ、コンプレックスを抱えているのかな?と感じました。
少なくとも高い教養と素晴らしい職業を持つインド人のご両親は、自分たちよりももっと上に行かなくちゃダメだ!という上品にオブラートされたハングリー精神をお持ち。
とても激しい向上心があるのです。
ある日私は彼に「もし失敗しても人生やり直せばいいんじゃないの?」って言ったところ、「先生は甘いよ。もし一度でもランクが落ちればそこから這い上がるなんて不可能に近いんだよ。今よりも上に行かなきゃ落ちるだけなんだよ」と。
私から見れば彼らは裕福な家庭に見えるのだけど、満足せずもっと高みを目指す。
もしも彼のような考えがインド人に多いなら、日本は追いぬかれちゃうな~、と思う今日このごろ。