今回は、必読お勧め本、スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』です。
ビジネス書・自己啓発書に分類されますが、人格を磨き良い人生を送ることを主題とした人生哲学本になります。
完訳 7つの習慣 人格主義の回復
7つの習慣の要点
『7つの習慣』の要点とは、
人一人が成し遂げられることなんてタカが知れている。だから人と人との協力は必要だが、より相乗効果の高い人生を送るためには、一人ひとりが人格を磨き自立した上での協力関係が必要となる。
だと私は解釈しています。
本書は、よくある表面的なハウツー本ではなく、根本的な問題解決に必要な生き方、人間の成長に必要なプロセスが書かれています。
成長段階を、個としての成長にフォーカスした前半の3つ、人との関りにフォーカスした後半3つの6つ、そして最後の7つの習慣で完成された人格を目指す流れです。
翻訳本なのでちょっと読みにくいので、私の言葉にかえて説明しますね。
前半3ステップ:依存から自立へ
最初の3つのステップは、
有意義な人生を送るためには自立した人間になる必要がある。そのための3つの習慣を身につけよう、という内容になります。
【第1の習慣】自分の人生に責任を持つ
世の中をどう見るかで人生が決まる。どんに嫌な事柄が降りかかってもどう対応するかは自分で決める。
つまり、自分が不運に見舞われたとき他人や状況のせいにせず、悪状況の中でどう反応するか?
”自分の人生に責任を持つ”
これはいろんな人が同じことを言ってますよね。他人や状況のせいにしているかぎり、一時的に気持ちを収めても、幸せには絶対なれません。
【第2の習慣】将来の目的を持って生きる
どんな人生を目指すのか?を、ハッキリと自覚し、バランスの良い生活を目指す。
仕事だけでなく、家族や友人、趣味や収入や活動など、大切な事をバランスよく人生に取り入れるためにも、どんな人生を生きたいか?目的を決めましょう。
自己分析にちかいですが、「何ができるか?」ではなくて
「どんな人間になりたいか?」
どんな人間になりたいかが決まればそれに向かって進むのみです。
【第3の習慣】理想の自分になるため時間を有効に使う
忙しさにかまけて家庭をかえりみず、家庭崩壊させた人の話をよく耳にしますが、どんな人間になりたいか?自覚し、その目標に向かい
大切な事柄を優先し、必要な行動を後回しにしない!
なりたい自分になるためには時間を有効に使わなくてはいけません。
理想的な人間になるためには自分を成長させる勉強、より良い人間関係、健康維持などに
時間を使いたいものですが、そのためには暇つぶしや意味ない時間を減らし、突然の来客や電話対応、無駄なつき合いなど、上手に断る方法を学ぶ。
むずかしい問題ではありますが、等しく1日24時間しかない人生、本気でなりたい自分になる気があるなら取り組むしかありません。その時のポイントが下記です。
複数ある自分の役割それぞれに必要な活動を週単位でスケジューリングし、柔軟に変更できるようバランスよく時間配分
後半3つのステップ:人と人とが協力する生き方
個人としての成長ステップの次は、人間関係から生まれる成長ステップです。
【第4の習慣】相手も私も得する関係
相手も私も得する関係とは俗にいうWin-Winのこと。
Win-Winは、自立した人間同士じゃないと成り立たない関係です。
片方が相手の犠牲になったり、損したり得したりするのはWin-Winではありません。
また、世の中をどう眺めるかも大事。
「お前のせいだ!世の中が悪いんだ!」と相手のせいにする人とは協力関係にはなれませんからね。
自分の意見を大切にしながらも、関係する人々の意見も尊重し、問題が起きても解決できると考え、根気よくプラスに考える。
ときには自分はWin-Winを希望しても相手が応じてくれないこともあるでしょう。
Win-Winでありたいけれど、どうあがいても無理な場合は残念だけど交渉不成立、関係を終了させる。という判断になります。
【第5の習慣】相手を理解してから自分の意見を
人間とは、自分を理解してほしいと願う生き物。だからこそ聞き上手は人に好かれるんですよね♪
そして、自分の話を聞いてくれる人の話なら聞いてみようという気持ちになり、結果的には自分の意見を伝えやすくなります。
win-winになるためにも、まずは相手を理解する。
「この人私のこと分かってくれている!」って思えた時、温かな気分になりますよね。先に相手を理解するよう努め人の心を動かすのには、もちろん、それなりの手間暇がかかります。
忙しい現代人にとって時間をつくるのは大変ですが、少なくても親子、夫婦、兄弟、友人、仕事仲間。大切な相手に対しては、先に相手を理解する関係を築きたいものですね。
【第6の習慣】人と人とが協力し個別能力以上の結果を出す
1+1=2というのは、小学生でもデキる計算ですが、
よい協力関係が築ければ1+1=2以上、つまり、3,4,5……と大きな結果を生み出す可能性がありますよね。
人はそれぞれ強みと弱みを持っていますが、人と人とが上手く協力できればお互いの弱みを補って、自分ひとりでは達成できない結果を出せるはず。
そこを理解すれば、相手が自分とは違う価値観・能力を持つことを肯定的に受け取れるようになります。
とはいえWin-Winを築くためには自分自身、何か相手の役に立てるものを持ちましょう。「自分は何もできない」と尻込みする人もいるのでしょうが、もしも能力が足りないなら、代わりに時間を使うという手もあります。また、あなたが笑ってるだけで周りがホッとできるなら、それは役立っていることになります。
7つの習慣の締め「人格を磨く」
最後に、『7つの習慣』=「人格を磨く」ためにやっておきたい7番目の習慣です。
7つの習慣の締めくくりは、下記4つをバランスよく行うことです。
身体を鍛える
長く活動を続けるためにも健康は重要。週3~6時間、持久力・柔軟性・強度をバランスよく鍛える。
1日30分以上を続けることで、達成できる量ですね。
精神を整える
瞑想でも趣味でもペットとの時間でもいいので、自分に合ったやり方で日々心を落ちつける。
たぶんこれは、誰かのマネして手に入れるのはむずかしく、自分で試行錯誤しながら身につける技術になると思われます。
知性を磨く
時代の流れが速い現代、社会に出た後も読書などで定期的に知識を修得する。また、知性は陳腐化します。古い知識のままで安住していると、現状維持さえ難しくなるはず。
また、最近問題となっている高齢者の認知症も、予防のためには好奇心旺盛な方がよいとされています。若いうちから知性を磨く習慣をつけましょう。
他者との深い関係を築き情緒を育てる
ただ関係を持つのではなく、相手を理解するほどの深い関わりで自分の内面を磨く。
そう書くと不倫に走る単純な人がいそうで怖いのだけど(^_^;)配偶者がいる人は、一番大切な配偶者を理解するのが先ですよ!
最後に7つの習慣で一番心に残ったこと
書きたいことは尽きないのですが最後に、私が一番感銘を受けた『7つの習慣』の中の「流れを変える人」という一節。
仮にあなたが子供の頃両親に虐待されたからといって、あなたも自分の子どもを虐待する必要はない。あなたは主体性があり、その脚本を書き直す力を持っているのだ。
自分の子どもを虐待するどころか、彼らを愛し、肯定し、彼らに良い脚本を与えることができるのだ。
~~~テリー・ワーナー博士
自分は○○だったから、不幸になってしまった。
そう思って一生を虚しく過ごすより、自分の力で自分をより良く変えることができ、周りを幸せにできたら、なんて素敵な人生でしょうか。
私もコンプレックスを持っているけれど、それはそれ。40代でも、50代にになっても成長できる自分でありたいです。