小説家志望なら健全な野心と精神のタフさを~職業としての小説家4

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小説家になりたいが何を書けばいいのか分からない人へ~職業としての小説家3からの続きです。

『職業としての小説家』ブックレビューの4回目。小説家を志す人に必要な2つのことを。

健全な野心

村上春樹さんが考える小説家志望の人に必要なのは、

「健全な野心を失わない」ということです。

『職業としての小説家』(新潮文庫版)p140

村上春樹さんが初めての小説を書く前に抱いた『健全な野心』とは、

何かを書きたいという表現意欲はなくはないのですが、これを書きたいという実のある材料が少ないのです。(中略)書くべきマテリアルのないところから何かを立ち上げていけるほどの才能もありません。

『職業としての小説家』(新潮文庫版)p133

「何も書くことがない」ということを逆に武器にして、そういうところから小説を書き進めていくしかないだろうと。そうしないことには、先行する世代の作家たちに対抗する手段はありません。

『職業としての小説家』(新潮文庫版)p134

ある種のハングリー精神ですね。

しかし、”ただの”野心ではなく”健全な”というのがミソですよね。言われている健全な野心とは、「いい物語を創りたいという心意気」じゃないかな、私は想像しました。

逆に不健全な野心というのもあるのでしょう。私がイメージする不健全な野心と言えば、「人を見返すため」とか、「金稼ぎのため」とか、「ほかの仕事をしたくないから」とかでしょうか。そういった野心で作家になる人もいるのでしょうが、長く続けるのは大変そうです。

森博嗣さんのように作家活動を「対価を得るためのビジネス」と割り切っているマルチな天才もいますが、長く続ける気は元々なかったようですし。しかも森さんのような天才なら他のお仕事でも収入を得られたことでしょう。

私をふくめた凡人だと、そんじょそこらの野心では、小説家になるなんて無理じゃないでしょうか。

魂の器である肉体を健康に保つ

専業作家になってからずっとマラソンを続けている村上春樹さん。小説家にとって肉体の健康は大切だと語っています。

職業的小説家であるという一点に関して言えば、精神の「タフさ」(中略)

その強固な意志を長期間にわたって持続させていこうとすれば、どうしても生き方そのもののクォリティーが問題になってきます。まずは十全に生きること。すなわち魂を収める「枠組み」である肉体をある程度確立させ

『職業としての小説家』(新潮文庫版)p203

ぱっと咲いてぱっと散ってもOK、しかも稀有な天才なら健康にこだわることはないのでしょうが、村上さんレベル(って言っても相当な才能だと思いますが)であれば、身体が資本になるからちゃんと管理しましょうね、ということでした。

働きに行ける体力がないから小説家にでもなろうかなー、なんて考えはお門違いと言えそうです。


職業としての小説家 (新潮文庫)

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